MURAKAMI LAB
東京大学大学院 工学系研究科
レジリエンス工学研究センター 村上健太研究室
RESEARCH
コンクリートの高経年化対策に関する研究成果
研究成果
コンクリート構造物の強度や弾性率は高速中性子照射を受けて劣化することが知られています。特に、加圧水型軽水炉プラントの60年超運転では生体遮蔽壁の劣化評価が課題となります。原因はコンクリートに含まれる骨材(石英や長石等の岩石)が照射によって非晶質化するためであると考えられていましたが、私たちの研究により非晶質化が直接原因ではないことが分かりました。イオン加速器、透過電子顕微鏡、電子スピン共鳴分光法を用いた実験を組み合わせて評価したところ、まず鉱物が徐々に非晶質化して、その後非晶質化した部分で欠陥が拡散していくことにより、マクロに体積が膨張するという順序で現象が進展することが分かりました。この知見は、劣化予測手法の向上に活用されます。
https://doi.org/10.1016/j.jnucmat.2024.155326